ホフマン(Hofmann)脱離【反応機構も解説】

化学

ホフマン(Hoffmann)脱離とは?

水酸基(-OH)をプロトン化すると脱離基の大きい水となるのと同様に、アミノ基(-NH₂)をプロトン化することにより脱離能は大きくなります。

しかし、実際はアミンのほうが塩基性が大きいため、脱離能は小さく置換反応は起こらずに塩基が窒素のβ位を攻撃して、プロトン化したアミノ基が脱離します。

(塩基性が大きい→共役酸の酸性度が小さく、結合が切れにくい)

このようなβ位の攻撃によるトリアルキルアミンのE1cB的なE2脱離によって、アルケンが生成する反応をHofmann脱離と呼びます。

反応の歴史

1881年にドイツの化学者であるアウグスト・ヴェルフェルム・フォン・ホフマンによって発見されました。

反応機構

step1:徹底アルキル化

アミンは第1級→第2級と級数が大きくなるにつれて、電子供与基であるアルキル基が増えるにつれて塩基性が大きくなります。

したがって、元の第1級アミンに戻る反応は起こりにくく、徹底アルキル化が進行します。

 

step2:Hofmann脱離

徹底メチル化によって脱離能が比較的に大きくなったため、強塩基で処理することによって、E1cB的なE2反応によってHofmann脱離が進行します。

ここで、Hofmann脱離は位置選択性があることに注意してください。

Hofmann脱離の位置選択性

Hofmann脱離は他のE2反応とは異なり、Hofmann則にしたがって脱離が起こります。

これは徹底アルキル化によって生成したアンモニウム基が非常にかさ高いため、塩基が分子内で立体障害が小さいプロトンを引き抜くためです。

これによって、置換基が多いアルケンではなく置換基が少ないアルケンが生成します。

参考書籍

基礎

ビギナーズ有機化学は電子の移動する理由などの概念が丁寧に書かれていて、有機化学を暗記科目から理解し、深める科目に変えてくれる教材です。

ビギナーズ有機化学で電子の動き方など理解できれば、Hofmann脱離も覚えずに反応機構をかけると思います。

ビギナーズ有機化学第2版 [ 川端潤 ]

標準

ボルハルト・ショアーはイラストが丁寧で有機化学を視覚的に理解したい方にオススメです。

Hofamann脱離についても分かりやすく解説されています。

国立大学や難関私大の教材として使われています。

 

ボルハルト・ショアー現代有機化学<上>

ボルハルトショアー 現代有機化学 上 / K・ピーター・C・ヴォルハルト

 

ボルハルト・ショアー現代有機化学<下>

現代有機化学(下)第6版 [ K.ピーター・C.ヴォルハルト ]

応用

ウォーレンは上記2つでは詳しく解説されていない立体化学について解説されています。

東大をはじめとする大学で使われています。

 

ウォーレン有機化学<上>

ウォーレン有機化学(上)第2版 [ ジョナサン・クレイデン ]

 

ウォーレン有機化学<下>

ウォーレン有機化学(下)第2版 [ ジョナサン・クレイデン ]

参考文献

  1. March, Jerry (1985). Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure (3rd ed.). New York: Wiley. ISBN 0-471-85472-7.
  2. Aug. Wilh. von Hofmann (1851). “Beiträge zur Kenntniss der flüchtigen organischen Basen”. Annalen der Chemie und Pharmacie 78 (3): 253-286. doi:10.1002/jlac.18510780302.
  3. Hofmann, A. W. (1881). Ber. 14: 659.

関連項目

hell-volhard-zelinsky反応

baeyer-villiger酸化

 

 

化学有機化学
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